妊娠のための教育講座Ⅺ 妊娠ってどうやってわかるの?

月経周期が順調であった女性が月経の予定日を過ぎても次の月経が来ない場合は、妊娠の可能性が高いと考えられます。予定の月経がある頃に少量の出血や下腹部の痛みを伴うこともあり、その出血を月経と間違えてしまうこともありますので注意が必要です。出血の量がいつもの月経より少なかったり、期間が短かったりする場合は、月経ではないことが多いです。どのように妊娠を確定するのかをお伝えします。

  1. 市販の妊娠判定キットによる検査

市販の妊娠判定キットを使用し、尿中のホルモン検出より妊娠しているかどうかを調べることができます。月経予定日より23日遅れた頃より検査できるものが多くみられますが、使用する場合は説明書をよく読んで確認をしてください。妊娠判定キットはあくまでも補助的に使われる試薬です。陽性となっても、流産や子宮以外の場所に妊娠している異所性妊娠(以前は子宮外妊娠と呼ばれていた)などの可能性もあります。その場合はお腹の中で急に大量出血することがあります。妊娠を確定するために早めに病院での診察を受けましょう。

2. 病院での診察

病院では経腟超音波検査により妊娠の確定を行います。超音波検査により子宮の中に胎嚢(赤ちゃんの袋)が確認できると、子宮内の妊娠と診断することができます。胎嚢は直径2㎜以上になると超音波検査で確認できるようになります。この大きさは妊娠4週後半に相当します。正常な妊娠では妊娠4週で約80%、妊娠5週でほぼ100%の確立で、子宮内に胎嚢を確認することができます。妊娠5週後半から6週前半で、赤ちゃんの心臓が動いていることが確認できるようになります。赤ちゃんの心拍が確認できた場合には、最終月経(一番最後におこった月経)の開始日から分娩予定日を決定します。月経の周期は、妊娠の診断や分娩予定日を決める時の大切な情報となりますので、普段から手帳などに記録しておきましょう。

 (吉村 やすのり)

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