厚生労働省の専門部会は、咳、発熱などの風邪症状や肺炎の原因となるRSウイルス感染症で新生児や乳児の重症化を予防するため、妊婦を対象にしたワクチンの定期接種を来年4月から始める方針を了承しました。妊婦に接種し、生まれた子どもに効果が出る母子免疫ワクチンの定期接種化は初めてです。
妊娠28~36週の女性に1回注射することで、胎盤を通じて胎児に抗体が移行します。出生後、乳児が気管支炎や肺炎などで重症化するのを防ぐ効果が期待されます。これまでの任意接種では費用は自己負担でしたが、定期接種では公費で支援が受けられます。
RSウイルスは、多くの人が幼いうちに一度は感染します。通常は発症から約1週間で良くなりますが、乳幼児や免疫の働きが弱い高齢者は重症化することがあります。

(2025年11月20日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





