子どもの権利のために活動する第三者機関を設置する自治体が、少しずつ増えています。しかし、第三者機関の設置は約50自治体に限られています。課題としては、スタッフの確保が31機関、認知度が低いが26機関、委員となる有識者の確保が23機関などが挙がっています。
国レベルの第三者機関は、子どもコミッショナーなどと呼ばれ、2012年時点で、世界70カ国以上が設置しています。その働きかけで、英国スコットランドでは体罰禁止の法律ができたり、フィンランドでは、児童養護施設を出た後の支援を25歳まで延長する法改正が実現したりしています。日本には、子どもの目線に立って政策を監視する独立した公的機関がありません。地方レベルでできないことを担保するためにも子どもコミッショナーは必要です。
(2024年11月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)