小中高生の自殺者数の増加

 2024年の小中高生の自殺者数が暫定値で527人となり、過去最多となっています。新型コロナウイルスの流行下で増え、歯止めがかかっていません。全年代の自殺者数は2万268人で、2023年の確定値と比べて1,569人減です。

 10代までの原因・動機別では、学業不振や進路の悩みといった学校問題が44%で最も多くなっています。健康問題の36%や家庭問題の19%も目立っています。周囲が異変に気づくのが難しい例も多く、こども家庭庁が2019〜2023年の事例について学校への出席状況を調べたところ、44%は以前と変わらず出席しています。

 SNSは、普段と異なる相手に悩みを打ち明けたり、相談窓口にアクセスしやすくなったりする利点がある一方、いじめやトラブルが見えにくくなる恐れもあります。子どもの自殺が深刻になり、国は対策の強化策を公表しています。柱の一つが、コロナ禍を経て小中学生に1人1台行き渡ったタブレット端末の活用です。気持ちの変化やいじめの有無を定期的に入力してもらい、なるべく早くリスクを把握する狙いがあります。

(2025年1月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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