待機児童ゼロの壁

横浜市は去年待機児童数がゼロとなり、全国的に注目された。しかし今年は、ゼロ達成が報じられて転入者が増加したこと、育児休業明けの申し込みが殺到したことなどから、31カ所の保育所の新設にも拘らず、ゼロ達成は続かなかった。しかしながら、林横浜市長の取り組みには頭が下がる思いである。子育て支援を真摯に考える市長は、女性であるがゆえに子育て環境の重要性を認識されている。そして何よりも決断力と実行力の速さには脱帽である。

待機児童のカウントは、自治体によって異なることに注意をしなければならない。公的な保育所を使用せずベビーホテルを利用している人、働きたくても保育所がないためやむなく専業主婦をしている人も、待機児童にカウントされない。定義が異なる状況下、自治体間で待機児童ゼロだけを競っても意味がない。しかしながら、いずれにしても待機児童を減少させようとする試みは大いに評価できる。

(2014年5月21日 日本経済新聞)

(2014年5月21日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。