歌手やスポーツ選手らを応援する推し活が2020年代に入って拡大し、関連分野も含めた消費の市場規模が3.8兆円に膨らんでいます。参加者は元々10~20代が多かったのですが、最近では中高年の増加が目立っています。単価の高いグッズやサービスが相次ぎ登場し、物価高の影響も少なく、これらが市場拡大をけん引しています。野村総合研究所の調査によれば、15~69歳の日本の推し活人口は約2,600万人で、全体の3割を超えています。

物価高でも、特に中高年の消費は衰えていません。インテージの調査によれば、物価高や円安が推し活に全く影響しないとの回答は15~39歳で40%台でしたが、40代以上は50%を超え、60代では73%に達しています。推し活の消費額を年代別に見ると、若年層よりも中高年が高くコロナ後も右肩上がりです。総務省の家計調査によれば、2024年の1世帯あたり平均支出金額は、50代が9万9千円と最高で、40代の8万円、60代が7万円と続いており、29歳以下と30代は伸び悩んでいます。
子育てが一段落した中高年が、ライブやオフ会を通して新たなコミュニティーも生んでいます。推しがいる人のうち誰かと一緒に推し活している割合は、45.7%に上っています。少子化や未婚率の上昇に加えて賃上げによって、中高年が自分に使えるお金が増え、推し活全体を後押ししています。
(2026年4月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)







