中央教育審議会は、知識偏重型や1点刻みの大学入試を改めて思考力や判断力をみる内容に変え、高校・大学教育も抜本的に改革すべきだとの提言を答申しました。新たな大学進学テストはこれまでのセンター試験と異なり、従来の教育型に加えて数学と理科など複数の教科を合わせた合教科型や教科の枠を超えた総合型も出題することになっています。記述式問題を取り入れ英語の民間試験も利用するとしています。年複数回実施し、将来はコンピューター出題方式の導入を目指しています。
社会の変化は加速しており、同じ教育を続けていては新時代に通用する子どもの力を育むことはできないことが指摘されるようになってきています。これまでの大学入試は暗記に偏りがちで、思考力や判断力、主体性など真の学力が十分に育成、評価されておらず、中教審で改革は不可欠とされました。各大学の個別入試についても、小論文や面接など多様な尺度から選考することが必要とされています。答申では、大学進学テストとは別に、高校での基礎的な学習の達成度を測る高校基礎学力テストも提案しています。2,3年生の時に複数回受験可能として高校での指導に役立てるほか、進学や就職の際の学力把握に使用できるとしています。
(2014年12月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)