経済産業省によれば、7月28日時点の全国の小売価格の平均は1ℓあたり174円です。政府は1ℓあたり10円の価格補助を実施しており、補助金なし価格は184円程度となります。
現在の価格をベースに、暫定税率廃止にともなって補助金もなくなるとすれば、価格は1ℓ159円程度になります。国際的に見ると、日本のガソリン価格は既に安価です。国際エネルギー機関によれば、1ℓあたりのガソリン価格は日本が1.20ドルで、G7の中で米国の0.83ドル、カナダの1.06ドルに次いで3番目に安くなっています。2ドル程度のドイツ、フランス、イタリアと比べると、およそ4割安い水準です。
価格差の背景には税負担率の違いがあります。財務省によれば、米国の税負担率は15.5%と最も低く、カナダの31.7%が続きます。日本は41.5%と、欧州の国の5~6割に比べて低くなっています。日本が暫定税率を廃止すれば、ドルベースの価格は1.07ドル程度になりカナダの水準に近づきます。

(2025年7月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)