米スタンフォード大学の人間中心の人工知能(AI)研究所が発表した世界36カ国を比べた2023年のAI活力ランキングによれば、日本は前年の5位から9位に下がりました。2017年からランキングを公表しています。①研究開発、②責任あるAI、③経済、④教育、⑤多様性、⑥政策とガバナンス、⑦世論、⑧インフラの8項目について、重要度に応じた重みづけをして点数化しています。研究開発、経済、インフラは比重が大きくなっています。
日本は2021年まで3年連続で4位でしたが、この2年で順位を下げています。一方で、フランスや韓国が順位を上げたほか、アラブ首長国連邦(UAE)が前年の10位から5位に浮上しています。日本はスーパーコンピューターの整備状況などのインフラ、AI関連の論文や特許付与などの研究開発で評価が高くなっています。経済では、AIスタートアップの合併買収が3位、株式公開が4位と上位に入っています。
総合順位をみると、1位の米国と2位の中国が3位以下を合計点で大きく引き離しています。中国はAI関連の特許付与が米国を大きく上回る一方、米オープンAIなどの先端のAI開発企業を多く抱える米国が、民間部門の投資や有力なAIの機械学習モデルの数で中国を引き離しています。
(2024年11月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)