まちの書店の減少に歯止めを掛けようという動きが広がっています。地域の文化拠点を守ろうと、国や自治体も振興に知恵を絞っています。青森県八戸市は、全国でも珍しい公営書店を運営して住民の交流に生かしています。出版科学研究所によれば、2023年の書籍の推定販売額は6,194億円と、ピークの1996年に比べて43%減少しました。雑誌は72%減となっており、雑誌の落ち込みが書店経営を大きく圧迫しています。
日本出版インフラセンターの統計によれば、6月18日時点の全国の書店数は1万667店です。2014年6月に比べて4,607店(30.2%)減少しています。書店が1軒もない無書店自治体も、全体の約4分の1に達しています。
若年層を中心にネット書店や電子書籍の活用が増え、まちの書店を訪れる機会が減っています。ネット店舗の台頭に加え、キャッシュレス決済の手数料や人件費の負担など、書店経営には中小企業共通の課題があります。コンテンツ産業の振興施策などを活用して何ができるかを検討しています。
(2024年7月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)