厚生労働省の公表による2025年の人口動態統計によれば、東京の出生数が9年ぶりに増加に転じています。全国で少子化に歯止めがかからない中、大阪市の予算に匹敵する2兆円超を子育て施策に投じた都の取り組みが一定の成果を上げた形となっています。
東京の出生数は8万8,518人で、前年から1.3%の増となっていますが、20万人を超えてピーク時の1970年前後と比べ、半数に満たない状況です。他に増加したのは、能登半島地震で落ち込んでいた石川で、残る45道府県は減少が続いています。減少率が最も大きかったのは島根で8.7%で、山形の7.4%、青森の6.9%、長野の6.2%と続いています。進学や就職に伴う人口流出が影響しています。

全国で1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、2024年に1.15と過去最低を記録しています。財源豊かな都の支援策が若い世代から支持されたと言えますが、人口自体が減る中で出生数の減少を止めることは困難です。地方においては、幸福度や生活満足度といった視点や指標を政策に取り入れ、都市部の人口を地方に環流させる仕組み作りが必要です。
(2026年2月27日 読売新聞 東京新聞)
(吉村 やすのり)







