留学費の高騰

 円安は海外留学のハードルを上げています。留学エージェントのスクールウィズの実態調査によれば、渡航費や生活費を含めた月平均の留学費用は米国で104.1万円、英国で84.4万円です。米国やカナダは、2017年と比べて5~8割ほど上昇しています。スクールウィズが夏休みに開いた中学生向けの留学説明会には、定員の2倍近い応募者が押し寄せています。変わったのは行き先で、フィリピンやマルタなど物価の低い国を選ぶ人が増えています。

 メタバースで留学を疑似体験できるサービスも人気です。アバターを介して世界の英語学習者と音声チャットで話せるスマホアプリであるfondi(フォンディ)は大学も学習に取り入れています。VRChat(VRチャット)を使って空港やホームステイ先など実際の留学に近い状況を体験するオンラインサービスであるメタバース留学や、英語講師とゲームしながら自然に対話するメタバース英会話など、海外生活に近い環境を提供するサービスは広がっています。

 出入国在留管理庁によれば、1~9月の出国日本人数は約949万人で、2019年の同期と比べると3割以上少なくなっています。円安が一因ですが、トランプ氏の2度目の米大統領就任が決まり、円安・ドル高は加速しています。一方、エジプトポンドやアルゼンチンペソ、ラオスキップなどは、コロナ前より円高の水準にあります。海外旅行先を為替レートで考える人も増えています。

(2024年11月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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