女性の卵子ほどではないが、精子も高齢になると受精能力が低下するとの研究成果が、先日の日本産科婦人科学会で報告された。ヒトの卵子を用いて精子の受精能力を調べる検討は倫理的に難しく、マウス卵子を用いて精子の機能を検索している。45歳を越えると男性でも精子の機能は、35歳未満の男性に比して4割程度にまで低下するとされた。しかしながら、妊孕力のある男性では機能低下の程度は軽微であること、受精にいたる精子はセレクションを受けていることを考え併せると、その老化現象は軽度であると考えられる。
(2014年4月17日 読売新聞 夕刊)
(吉村 やすのり)