腎機能がほぼ失われた末期腎不全で透析を受ける患者は、2023年末時点で約34万人に上り、日本は透析大国と言われています。透析以外の治療法として海外で普及している腎移植は、国内では臓器提供体制の整備の遅れから、2023年は死体・生体合わせ約2,000例にとどまっています。
透析を長期に続けると老廃物が蓄積し、動脈硬化が進みやすくなります。患者が透析を中止した場合は、体の痛みや呼吸困難などが表れ、1~2週間程度で死に至るとされています。末期腎不全の患者は薬が体内に蓄積しやすいので、医療用麻薬を使うのは副作用の懸念が大きくためらわれてきました。
厚生労働省は、重い病気の患者らの心身の苦痛を和らげる緩和ケアについて、末期の腎不全患者も受けられるよう検討を進めています。がんなど一部の患者に事実上限られてきた緩和ケア病棟の入院対象が、来年度に拡大される見通しです。
見直しを迫られる背景には、透析患者の高齢化があります。日本透析医学会によれば、透析を導入する患者の平均年齢は1985年の54.41歳から、2023年には71.59歳に上がっています。透析に至る主な原因の糖尿病の治療が向上し、導入までの期間が延びています。
(2025年11月22日 読売新聞)
(吉村 やすのり)







