2025年に脳死となった人からの臓器提供は146件と、過去最多になりました。国内の臓器提供数は増加傾向で、国民の理解も進みつつありますが、先進国では最低水準にとどまっています。厚生労働省によれば、2024年に脳死者から提供された臓器に対し、人員や病床の不足など院内体制が整わないことを理由に移植を見送られた患者は延べ662人にも達しています。臓器提供の6割が土日祝日に集中しています。
移植体制の強化に向け、厚生労働省は、2026年度の診療報酬改定で、脳死下の臓器摘出や移植を行った病院の診療報酬を手厚くする方針を固めました。病院に支払う診療報酬を加算する新しい仕組みを設けます。肺、心臓、肝臓、膵臓、小腸、腎臓の摘出や移植の手術料に一定の割合を上乗せします。
移植を行う外科医の負担を軽減するため、選定された拠点病院が臓器提供元の病院に医師らを派遣して臓器の摘出手術を代わりに行い、臓器の運送を手配する仕組みを作ります。臓器提供が可能な約900施設のうち、実際に提供の経験があるのは約300施設にとどまっています。提供までの手続きの複雑さなどがハードルになっているとみられます。
(2026年1月30日 読売新聞)
(吉村 やすのり)







