訪日客が日本経済を支える柱になってきています。2024年1〜3月期の訪日客消費は、年換算で名目7.2兆円と10年で5倍に拡大しています。主要品目の輸出額と比べると自動車に次ぐ規模になっています。日本が海外に売り込む品目はモノからサービスにシフトしつつあります。
新型コロナウイルス禍前は年換算で4.6兆円でしたが、2023年4~6月期の段階でコロナ禍前の水準を上回った後も拡大が続き、2024年に入って7兆円の大台に乗せています。7.2兆円という規模を日本の品目別輸出額と比べると、2023年に17.3兆円だった自動車の半分以下ですが、2位の半導体電子部品の5.5兆円や3位の鉄鋼の4.5兆円を上回っています。
観光白書によれば、2023年10~12月期の主要国のインバウンド消費額は、2019年同期との比較で日本は38.8%増でした。スペインの30.7%増、イタリアの16.5%増を上回っています。品目別にみると、買い物代が減って、宿泊費や飲食費、交通費などが目立って増えています。サービス重視がうかがえます。
(2024年6月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)