転勤に伴う離職の増加

 パーソル総合研究所の調査によれば、不本意な転勤を受け入れるくらいなら会社を辞めると考える人は4割弱に達しています。20代男性や、20~40代女性などで多くなっています。就活生への調査では、転勤がある会社について受けないとできれば入社したくないが合わせて5割を超えています。転勤を巡っては、大成建設が7月から最大100万円の一時金を支給するなど、手当拡充に動く企業が出てきています。

 マッチングアプリのOmiaiなどを運営するエニトグループの調査によれば、転勤に伴う恋愛・結婚への不安を感じている利用者は6割以上に上っています。転勤によって婚活が難しくなるが48.2%、婚活のモチベーションが下がるが16.9%などの声があがっています。転勤が結婚のハードルになると考えられている人が多く、ライフコースに強く関わってしまうという不安があるとされています。

 社員の遠距離恋愛の不安を払拭しようとする企業の動きが広がっています。恋人の居住地近隣に転勤を希望できる制度の運用している企業もあります。恋人に会うための旅費を会社が負担する動きも出てきています。遠方で勤務する独身者や単身赴任者向けに、社員の転勤先を訪ねる恋人らを含む家族などの交通費を会社が負担する制度を始めた会社もあります。人手不足が強まるなか、社員の人生設計を支援し、新卒確保や若手社員の定着につなげています。

(2025年5月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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