都内には、2024年4月1日時点で全国最多の約66万人の外国人が住んでいます。国別では中国が約26万人でトップで、韓国の約9万人、ベトナムの約4万6,000人と続いています。ベトナムは10年前は6位でしたが、技能実習生などとして来日する人が増えています。
外国人労働者は、2023年10月時点で約54万人で、このうち、教授や高度専門職、経営・管理など専門的・技術的分野の在留資格を持つ人の割合は、39%と全国トップです。都内には大企業が集中しているため、高度人材が集まりやすく、起業する人たちも増えています。
働き手の中には家族連れの人もいれば、来日後に子どもを産み、育てる人もいます。都内の公立小学校に通う外国人は、2023年度に1万4,840人と10年で2.8倍になっています。各自治体は日本語指導員を配置するなどして日本語が苦手な児童をサポートする体制づくりに力を入れています。
都内の外国人住民の比率は、2070年に約20.6%になるとされています。4月1日時点で、外国人住民の割合が12%と最も高い新宿区では、約50%になる見通しです。日本の潜在成長力を高める高度人材はもちろん、人手不足の介護などエッセンシャルワーカーを担う人材がいないと、経済が回らなくなります。自治体は多言語対応だけではなく、日本語教育をもっと普及させ、外国人が孤立しない環境をつくるべきです。
(2024年6月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)