離婚後のルールの変更

 2026年4月の改正民法施行で、親権や養育費、財産分与など離婚後のルールが変わります。離婚すると父母の一方のみを親権者に定めなければなりませんでしたが、両方を親権者にすることも可能になります。親権を持たない親が子と会えなくなったり、養育費を払わなくなったりすることが多かったためです。以前に単独親権を選んだ父母が、共同親権に変更することも可能になります。

 養育費も様々な見直しが実施されます。こども家庭庁の全国ひとり親世帯等調査によれば、母子世帯で養育費の取り決めがありとの回答は46.7%と半分以下です。現在も受けている人の割合を示す受領率は全体で28.1%、取り決めがある場合でも57.7%に過ぎません。国は、2031年にそれぞれ40%、70%に引き上げる目標を立てています。教育費は父母の協議や家庭裁判所の手続きで金額を決めなければ請求できません。

 今回新設される法定養育費は、取り決めが無くても離婚した相手に子1人当たり月額2万円を請求できる制度です。離婚時に遡って請求することもできます。父母を啓発する意味では有意義な改正ですが、2人で協議するなどして適正な額の養育費を決める必要があることに変わりありません。4月から養育費に先取特権と呼ぶ優先権が付与され、父母の間で作った私的な文書でも申し立てができるようになり、上限は子1人当たり月額8万円です。

 財産開示や給与情報の提供、判明した給与債権の差し押さえなど、一連の裁判手続きも1回の申し立てでできるようになります。財産分与も変わります。夫婦が婚姻中に築いた財産の分け方は話し合って決めますが、決まらない場合、家庭裁判所に請求することができます。期限は離婚後2年でしたが、5年に延びます。

(2026年3月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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