妊婦が風疹に感染すると、胎児は先天性風疹症候群(CRS)になり、白内障や緑内障、難聴、心臓病などの症状を呈する。2013年に風疹が大流行し、32人の赤ちゃんがCRSと診断されている。
昨年の風疹患者のうち約6割が20~40代の男性であり、ワクチン接種を行っていないケースがほとんどである。感染を防ぐためのワクチンは、現在1歳と小学校入学前に2回、定期接種として風疹とはしかの混合ワクチンを打つことになっている。
風疹の流行を防ぐには、ほとんどの国民が免疫を持たなければならない。またCRSを防ぐためには、妊娠を希望する女性とその家族が免疫をもつことである。妊娠女性はワクチン接種を受けることはできない。最低限妊娠を希望する場合は、予防接種か抗体検査を受けなければならない。ワクチンを接種したら、2カ月は避妊をする必要がある。
(2014年5月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)