医療費負担が重くなり過ぎないために、最終的な自己負担に一定の歯止めをかける公的な支援です。1カ月ごとに一定の計算ルールで判断され、例えば70歳未満の一般的な所得の場合、100万円の医療費がかかっても最終的な自己負担は9万円弱となります。退院の時に、窓口負担を3割(30万円)払っても、高額医療費制度の申請をすれば、最終的な自己負担額との差である21万円強が返還されます。70歳以上では最終的な自己負担額はさらに小さくなります。ただし対象は医療費であり、差額ベッド代などには対応できません。
高齢化社会に向けて、高額医療費制度にかかる費用はますます膨大なものとなる。今後はこうした医療制度にもメスを入れることも必要となるであろう。
(吉村 やすのり)