1億円超の高額所得者が増えています。国税庁の統計年報によれば、2025年に確定申告した2,336万人のうち、1億円超の所得があった人は3.8万人です。4年続けて前年を上回っています。2014年分の所得では1.7万人だったため、10年間で倍増しています。所得の区分別では、1億円超~2億円以下2.5万人、2億円超~5億円以下0.9万人、5億円超0.4万人です。
増えた一因は、近年の株や不動産の価格上昇です。高額所得者は給与や事業だけでなく、株や不動産の売買による譲渡所得の占める比率が高くなっています。働いて得るお金よりも資産から得る分が、より大きく伸びています。

最多は東京の1.5万人で、全国の半分近くを占めています。東京の確定申告者1万人あたりで計算すると45.3人です。業種別では、最多は病院・診療所の329.0人です。次に弁護士の149.1人、職業選手・競技関係者・職業棋士の102.4人と続きます。芸能関係者は16.9人でした。

高額所得者において、1億円の壁が問題となっています。所得が1億円を超えると、税金の負担率が下がります。所得税は、本来所得が高くなるほど税率が上がる超過累進課税です。900万円超の所得には33%、1,800万円超には40%、4千万円超には45%など、5~45%まで計7段階に分けて上昇する仕組みになっています。1億円の壁による不公平感を解消するためにも、極めて高い水準の所得の人に対する負担の適正化が必要になります。

(2026年1月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)





