高齢者の虐待防止

 全国の特別養護老人ホームなどで働く介護職員による虐待は2024年度に過去最多の1,220件となり、10年前の4倍に増加しています。体を紐で縛るといった身体拘束が虐待に当たるとの認識不足や、ケアの知識の不十分さなどが要因です。高齢者虐待防止法が2006年に施行されてから、虐待の疑いがあれば地元の自治体に通報しなければならないという認識も広まっていることも背景にあります。

 家族らによる虐待の件数は、2024年度に1万7,133件と高止まりしています。加害者の内訳は息子が38.9%と最も多くなっています。認知症のある親とのコミュニケーションが難しいことや、介護疲れ、ストレスなどが要因とされています。介護の負担を一人で抱え込まないことが大切です。地域包括支援センターに相談し、介護保険サービスを使いこともできます。

 虐待で最も多いのは身体的虐待です。他に、侮辱したり、怒鳴ったりといった心理的虐待、日常的に金銭をわたさないなどの経済的虐待があります。水分や食事を提供しない、室内にゴミを放置したままにするといった介護などの放棄も虐待に当たります。お互いに虐待という自覚がない場合さえあります。尊厳を持って暮らせるよう、虐待は無くさなければなりません。

(2026年1月31日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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