2025年度の経済財政報告

 内閣府は、2025年度の経済財政報告(経済財政白書)を公表しています。賃金と物価が上昇する好循環が定着しつつあると指摘し、デフレ脱却へ着実に進んでいるとの認識を示しています。

 白書では、上昇する輸入物価の販売価格への転嫁が進み、2023年に40年ぶりの物価上昇がみられたことや、2025年の春季労使交渉で賃上げ率が33年ぶりの高さだった2024年を上回ったことを挙げ、四半世紀続いた賃金も物価も動かない凍り付いた状況から脱しつつあると指摘しています。

 特徴として、人手不足を背景に人件比率の高いサービス分野で物価上昇が広がっている点を強調しています。長く動きの乏しかったサービス物価の上昇率は近年2%に接近し、企業の価格や賃金の設定に変化がみられると分析しています。

 GDPの過半数を占める個人消費の回復は、賃金・所得の伸びに対し力強さを欠いています。白書は家計の可処分所得の改善が進み、金融資産残高が拡大傾向にある中でも、個人消費の回復は緩やかにとどまっています。

(2025年7月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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