4月24日自民党の生殖補助医療に関するPTは、特定生殖補助医療に関する法律骨子素案を発表した。それによれば、第三者からの精子や卵子提供については一定の条件下で実施可能とし、代理懐胎については条件下で限定的に容認とする案と禁止する案の両論を併記し、今年中に国会で審議されることになりそうである。しかし生まれた子どもの出自を知る権利については結論を出さず、継続審議とした。
出自を知る権利については、人のアイデンティティ確立のために基礎となる権利であり、根源的な欲求である。個人の尊厳に関わることより、幸福の追求権として憲法上保障されるべき人権といえる。法律で出自を知る権利を認めるのか、ガイドラインで保障するかは、国民レベルでのコンセンサスが必要となるであろう。出自を知る権利を認める以前に、AIDを実施するにあたっては最低限クライエントの子どもへの真実告知が必要となる。
(吉村 やすのり)