子宮筋腫の内視鏡下手術

生殖年齢にある女性の34割は大なり小なりの子宮筋腫を持っており、そのうち下腹痛や性器出血に苦しむ女性、妊娠を希望する女性に対して、内視鏡下で子宮筋腫核出術が実施されている。傷口を小さくするためにモルセレーターという器具で筋腫を細かくして体外に出すようにしている。子宮筋腫は、術前に肉腫と鑑別診断することが困難であることもあり、米国食品医薬品局(FDA)は350例に1例の割合で筋腫と診断のうえ、手術した際に肉腫が見つかったとしている。

 

モルセレーターの使用は癌細胞をまき散らす可能性があるため、FDA4月にモルセレーターの使用を勧めないとする通達を出した。現在、我が国でも年間9,000件ほどの子宮筋腫の腹腔鏡下手術が実施され、多くのケースでモルセレーターが使用されている。そのため、日本産科婦人科内視鏡学会は、明日21日に緊急委員会を開催し、その対応を協議する予定である。

 

(2014年5月20日 朝日新聞)

(吉村 やすのり)

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