博士号とは

文部科学省の学位規制に従って大学が与える学位には、学士・修士・博士の3種類がある。国内では毎年15,000人以上の博士が誕生している。博士には課程博士と論文博士がある。課程博士は大学院に進み、修士を経て博士課程に進学し、予備審査を経て、博士課程に進学し、予備審査を経て博士論文を執筆する。できあがった論文を審査委員に公開の場で説明する公聴会を経て、審査に合格すれば博士号が与えられる。

一方、論文博士は、大学院に進まずに研究成果を発表した学術論文を、特定の大学教授に提出し、博士課程と同様の手順で審査会で発表する。医学博士は、以前は論文博士が多かったが、最近では課程博士が増えるようになってきている。医学関係以外では圧倒的に課程博士が多い。一般に理系の博士は多く、文系の博士は少ない。最近でこそ欧米の影響を受け、経済学や法学などの文系の博士は増えているものの、以前はわが国においては、文学博士の方々は生涯の集大成として博士論文を纏めることが多かったようである。わが国における100万人にあたりの博士号取得者数は、諸外国に比べ少なく124人である。ここ数年理工系の博士号取得者が減少しているのは問題であり、また博士号の質の低下を懸念する声もある。

(2014年8月8日日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

 

 

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