日本の女性の管理職の割合は国際的に見ても低い。わが国は10%前後であるのに対し、欧米では各国が30%を越えている。2020年度までに企業や官庁の管理職の女性比率を30%に高めるとする政府目標に対応し、企業の制度整備が加速している。各社が女性登用拡大に向けての環境作りを進めているが、女性社員は妊娠・出産などで仕事を離れざるを得ないという事態が起こりうる。その結果として、男性との間に人事評価に差がでてしまうことからも、妊娠・出産が女性のキャリア形成にプラスになるような仕組みを整備する必要がある。
国内の女性の雇用者数は増加しているが、雇用者の過半数をパートなどの非正規社員が占めており、逆に女性正規職員の数は減少している。女性活用は注目されがちな管理職登用ばかりではなく、女性の働く環境の整備も必要である。
(2014年8月15日日本経済新聞)
(吉村 やすのり)