2013年度の世界の男女平等ランキングは105位である。男性を100とした場合の女性の賃金は、わが国では73.5%であり、90%以上を占める北欧諸国に比べ明らかに女性賃金は低率である。また、日本は男女ともに長時間労働が極端に長いことも特徴である。さらに家事や育児の時間は、日本男性が欧米に比べ圧倒的に短く、日本女性が諸外国に比べ最も長く、男性の5倍の時間を費やしている。
そのため、日本の母親の就業率は、子どもが3歳未満の幼児期に特に低い。欧米においては、子どもの年齢に関わらず母親の就業率は70%以上が維持されている。また日本政府が保育にかける対GDP比の支出は、海外に比べて3分の1程度と少ない。安倍政権の女性活躍推進は、エリート層の女性にとっては追い風であるが、女性の6割前後は非正規雇用者である。長時間労働重視や年功型の賃金や昇進システムも女性への間接差別を増長している。
(2014年9月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)