わが国の高学歴女性の就労率が、 69%と OECD加盟 34ヶ国の中で最低レベルであることがわかった。能力の高い女性が就労するためには、3歳未満の保育を拡大することが必要となる。わが国においては、大学などで高等教育を受けた成人の18%が非労働人口となっている。わが国における大学以上の学歴を持つ成人の割合は 26%であり、 34歳以下の若年世代では35%にも達し、OECDの平均である30%を上回っている。
わが国は高学歴の女性の割合が高いにも関わらず、就労する割合が低いのは、子育て支援が充実していないため仕事と家庭の両立ができないことに起因する。私の教授在籍時代に84人の女性産婦人科医師が誕生したが、子育てをしながら常勤医を続けているのはわずか4人である。子育て後に再就職しようとしても、待遇の点からパートを選択せざるを得ない状況にある。これでは女性の能力が活用されているとは言い難い。
(吉村 やすのり)