15歳未満の子ども人口は、約2,700万人であった1980年頃より減り続けている。これに伴い小学校の数も年々300校ほど減少し、下降線をたどっている。全校生徒が30人以下の小学校が地方において増加している。
少子化が大きな社会問題であると認識されたのは、1990年の1.57ショックである。89年の出生率が66年の丙午の年を下回ったことが判明した時である。それ以降、政府は何度も少子化対策を打ち出し、保育所の待機児童解消やワークライフ・バランスの実現などを目指したが、これまでの子育て支援策は有効に機能していない。大きな理由は、財政不足であり、子ども・子育て支援に十分な財源が使用されていない。子育てのための家族関係社会支出は、5.7兆円であり、高齢者向けの社会保障費51.8兆円の9分の1である。財源確保の重要性が指摘される中、来年度からは消費税を増税分子育て支援に充てることになっている。
(2014年9月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)