65歳を過ぎても夫婦で働く共働きシニアが増えている。2014年の共働きシニアは、66万世帯となり、前年同期比11.9%増である。元気なシニアが増えていると同時に、人手不足の企業が高齢者の雇用を増やしているためと思われる。特に働くシニア女性の増加が顕著であり、男性の伸び6.6%に比べ、女性の伸びが9.8%と大きく上向いている。製造業もシニア女性を活用する動きが広がっている。
一方、シニア世代の意識の変化も大きい。65歳以上で働きたいと考えている人が58%もいる。その半分は年齢に関係なく、生涯を通して働くことを目指している。しかし、働き続ける理由としては、経済的な理由が4分の3を占めており、生きがいや社会への参加などを大きく上回っている。日本の労働人口は年50万人のペースで減少しており、働く高齢者が増えれば、労働人口の減少の歯止めになることが予想される。また働くシニアが増えれば、厳しい年金財政の改善にもつながるものと考えられる。
(2014年9月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)