日本版ネウボラ

妊娠初期から子育て期にかけて、母親が直面する様々な悩みの相談に乗り、継続的に支援する体制づくりが日本でも始められている。手本はフィンランドのネウボラ。ネウボラとは、地域ごとに設置されている妊産婦や子育てのための相談支援拠点のことで、専門の助産師や保健師が常駐し、健診や予防接種、育児情報の提供などを一括して行う。

こうした事業が急がれる背景には、公的支援が全ての妊婦に行き渡らず、出産前後の継続的支援が手薄となるという実態がある。妊娠・出産では、現在も妊婦健診の補助や出産一時金の支給、乳幼児健診や予防接種など様々な公的助成があるが、市町村や保健所など窓口がバラバラで、必ずしも母親が利用しやすい状況にないことが問題である。妊娠から子育てまで途切れぬ支援が大切であるが、まず相談窓口の一本化が必要となる。こうした相談窓口でサービスが受けられるようになれば、手厚い支援を通して第2子、第3子の出産につながるかもしれない。

(2014年9月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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