地方自治体の消滅

日本創生会議が今年5月に、独自に算出した日本の将来の人口推計を公表しています。そのなかで、2040年時点の2039歳の若年女性人口が10年時点と比べ、半分以下になる自治体を「消滅可能性都市」と名付けています。子どもを産むのに適した年齢の女性が大幅に少なくなる地域は、人口減少が加速していくと考えられるからです。同会議の推計では、全国の約1800の市区町村のうち、半数近くの896自治体が消滅可能性都市に分類されています。

地方都市の消滅には少子化が大きく関与しています。もう一つは東京への一極集中です。東京都の2013年の合計特殊出生率は1.13と全国最低で、地方の若者が子育てがしにくい東京に出てくることによる東京の膨張は、総人口の減少に拍車をかけることになります。今年9月、政府は「まち・ひと・仕事創生本部」を立ち上げました。ここで子育て支援や東京一極集中の是正など、地域活性化のため政策を持ち出すことになっています。

 

(2014年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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