文部科学省の学力テストによれば、授業で発表する場面でICTを活用すると正答率が高い傾向が判明しました。教員がICTを組み込んだ授業に改善できるかが表現力向上のカギを握っています。
中3で発表場面でのICT活用頻度が週3回以上の学校で、課題解決に向けて話し合う学習活動をしている場合は、数学の正答率が54.7%でした。一方、ICT活用頻度が週3回未満で課題解決の学習活動を行わなかったとした学校の数学は、48.9%と5.8ポイント低くなっています。国語や小6算数も同様の傾向であり、発表の際にICTを使うことは記述力や表現力に影響している可能性があるとしています。
児童生徒1人に学習用端末1台が配備されて以降、ICTの活用が一層進んでいます。授業でICT機器を週3回以上活用した小学校は93.3%に上り、前年比2.7ポイント増。中学校も90.8%(4.3ポイント増)です。ICTを使えば画面の共有などで気軽に考えを伝え合うことができ、発表に適しています。書くことへの抵抗感がなくなってきており、説明しようというプロセスに移行してきています。
(2024年7月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)