子どもの声を聞く取り組み

こども家庭庁が2023年に実施した国際調査によれば、日本の子どもや若者は意見や気持ちを聞いてもらえると感じることが少ないようです。意見や気持ちを聞いてもらえていると感じている、やや感じていると答えて日本の子どもや若者は42.2%でした。スウェーデンとドイツは7割を超え、フランスと米国も5割を上回っています。

意見を言う機会の確保などを盛り込んだこども基本法が、2023年に施行されました。こども基本法は、国や自治体に子どもや保護者の意見を関連政策に反映させるよう義務づけています。こども大綱で、最も身近な校則の見直しについて、子どもや保護者などの意見を聴取した上で定めることが望ましいと明記しています。
近年、子どもらのアイデアを行政の政策に反映する試みが広がっています。東京都内では、都のプロジェクトで中高生が職業体験事業を提案すべく議論しています。豊島区や足立区は若者主体の会議をつくり、職員を交えて共に政策を練り上げています。実効性を高めるには、様々な生活環境に置かれた子どもの意見を幅広く吸い上げる仕組みづくりが必要になります。

(2024年7月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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