政府の生命倫理専門調査会は、人のiPS細胞やES幹細胞などから作った精子や卵子を受精させる基礎研究を条件付きで認めました。ヒトの幹細胞から精子や卵子が作られてはいませんが、近年はマウスのiPS細胞由来の精子と卵子から別のマウスが誕生するなど研究が急速に進展しています。
報告書では、幹細胞由来の精子や卵子を受精させる技術は、将来的に人に応用できる可能性が高いと判断しました。不妊症や先天性疾患の発生メカニズムの解明などを目的とした基礎研究のみで解禁されるべきだとしています。受精卵の人や動物の子宮への移植を禁じたほか、作製数を研究に必要な最小限と定めています。受精後の培養期間については14日までと制限する一方、研究でゲノム編集技術を用いることは認めました。

(2025年7月25日 読売新聞)
(吉村 やすのり)