妊娠のための教育講座Ⅴ妊娠する前に必要な検査は

 感染症の中には妊娠中にかかると悪影響を及ぼすだけでなく赤ちゃんに異常をおこすものもあります。ここ数年発症が増えているのが「風疹」です。妊娠初期に感染すると、赤ちゃんに白内障や緑内障などの目の疾患や難聴、先天性心疾患を起こす、先天性風疹症候群になる可能性があります。ほとんどの方は子どもの頃にワクチン接種を受けており抗体をもっていますが、抗体が低い場合は、妊娠前に必ずワクチンを接種しておきましょう。以前、ワクチン接種を行っていない時期があり、抗体をもっていない人が多かったため、昨年風疹が大流行しました。それにより多くの赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかりました。これを予防するためには、男女を問わず全ての国民がワクチン接種を受けるべきです。

性感染症にも胎児や赤ちゃんに影響するものがあります。もっとも多いのは性器クラミジア感染症です。胎児が産道を通るときに母親から感染し、結膜炎、咽頭炎、肺炎などを起こします。ほかにも多数の感染症があるために妊婦健診で検査します。

 また糖尿病にも注意が必要です。なりやすい方は、家族に糖尿病がいる、肥満、35歳以上、4500g異常の巨大児を産んだことのある人などです。糖尿病合併妊娠の合併症になると奇形などの障害がでてしまいます。糖尿病が見つかった場合は治療してから計画妊娠するようにしましょう。

 (吉村 やすのり)

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