大学病院は、高度医療の提供や研究、医師養成の核となってきました。地域の医療機関への医師派遣も担っています。物価や人件費の上昇を受けて大学病院全体の赤字幅が広がっており、高度医療の維持や医師養成への影響が懸念されています。全国81の国公私立大学病院の2024年度の経常損益は、全体で508億円の赤字で、2023年度の168億円の赤字から大幅に悪化しています。
文部科学省は、大学病院の教育や研究を補助する事業を始めます。教育や研究の拡充をはかる大学病院に対し、最先端機器の購入費や人件費などの一部を補助します。文部科学省は、新事業の経費として最大455億円を2025年度補正予算に盛り込みたい考えです。医学部を持つ国公私立大の数十校を対象に、教育や研究の拡充計画を募り、1校あたり億円単位で補助します。

(2025年11月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)





