高校の理系転換の加速

 文部科学省は、高校の理系転換を加速させます。新設する数千億円規模の基金を活用し、全国から選ばれた重点校の理系カリキュラム拡充などを支援します。2040年までに理系の生徒の割合を現在の3割から4割に引き上げたいとしています。理系学部を設置する大学への支援も強化し、文系に偏重する文系大国からの脱却をはかります。

 経済産業省の推計によれば、技術革新の進展や人口減を背景に、大学・院卒の理系人材は2040年に約100万人足りなくなるとされています。AIやロボットの活用を担う人材は約326万人不足するとされています。日本の学位取得者は文系の比率が国際的に見て高く、高校から大学までを通した理系教育の強化が急務となっています。

 各都道府県の一部の高校に重点的に資金を配分します。基金は3年間分で、1校あたりの配分は億円単位となる見込みです。理系カリキュラムの拡充のほか、3Dプリンターや高性能な情報端末、実験機器の整備などに充てることになります。大学の理系転換への支援も強化します。2022年度に理系学部の新設などを支援する3,000億円の基金を設置しました。

(2025年11月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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