AIによるiPS細胞の効率作製

 京都大学iPS細胞研究所は、AIを使って、iPS細胞を効率的に作る研究を始めます。科学者のように仮説の立案や実験データの考察ができるグーグルのAIを駆使して、iPS細胞の医療応用を急ぎ、AIの活用で科学研究を加速させようとしています。iPS細胞を医療技術として普及するために、細胞を効率よく作る手法の開発が重要になっています。現状の手法は、作製効率や細胞の品質などに改善の余地があります。AIを使えば、研究者が思いつかないような作製方法の案を出せるため、より良い手法を開発できる可能性があります。

 AIは研究現場で急速に使われ始めました。AIを使って執筆された論文は約4万本(生命科学、化学、材料分野)で、最近の5年で6倍になっています。代表例はたんぱく質の立体構造を解析するAIのアルファフォールドです。2016年の発表以降、医薬品研究に変革を起こしています。2024年、アルファフォールドの開発者らはノーベル化学賞を受賞しています。

(2025年11月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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