建築費のインフレ加速

 資材高でマンション価格が上昇しています。不動産経済研究所によれば、2025年度上半期の東京23区の新築マンション平均価格は、前年同期比20.4%高い1億3,309万円でした。建設物価調査会によれば、東京地区の鉄筋コンクリート造マンションの建築費指数は、11月時点で140.7に上昇しています。算出開始以降の最高値を更新しています。

 国際相場が高騰している銅を使う電線など一部資材の値上がりに加え、見逃せないのが生コン業界のように人件費の上昇です。資材のほか、工事の専門作業を担う職人も不足し、人材確保や待遇改善のために賃金を引き上げた分が建築費に転嫁されています。建設現場の時間外労働規制を強化する2024年問題以来、2025年も人手不足を理由とする人件費上昇分の転嫁は、市状の押し上げ要因となってきています。

 長らくデフレに悩まされてきた日本は、2020年以降、新型コロナウイルス禍やロシアによるウクライナ侵略による供給制約を背景とする物価高に直面しました。その後、円安による輸入インフレが加速し、今は少子化を原因とする人手不足インフレとなっています。企業が賃上げ分を販売価格に転嫁せざるを得ない状況は今後も続きます。価格に転嫁できない企業が淘汰されれば供給が減り、さらに価格に上昇圧力がかかります。

(2025年12月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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