子宮頸がんは、若い女性に多いがんで、性交渉によるHPV感染が主な原因です。女性の多くが生涯に一度は感染しますが、約90%は2年以内にウイルスが自然に排除されます。しかし、一部の人では感染が続き、数年から数十年かけてがんに進行します。200種類以上あるHPVのうち、がん化するのは少なくとも15種類あり、主に16型と18型が原因となることが多いとされています。
HPV感染を防ぐワクチンには2価、4価、9価の三つがあります。現在広く使われている9価は、16型と18型に加えて、がんや尖圭コンジローマの原因となる七つの型の感染も防ぐことができます。子宮頸がんなどの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を予防するワクチンの1回接種に、2回接種と劣らない予防効果がみられたとする研究結果を米国立がん研究所の研究グループが発表しています。

HPVワクチンの接種は、子宮頸がんを防ぐ対策の柱となっています。若年層を対象にした研究では、1回接種でも高い効果が期待されたとする報告が増えています。WHOは、2022年に接種の推奨スケジュールを更新し、9~20歳の女性に、1回または2回の接種を推奨していました。論文では、今回の結果について、十分な有効性を維持しながら接種率を高めるため、WHOが1回接種を推奨していることを支持するとしています。
日本では、小学6年から高校1年相当の女性を対象に、中学1年時に9価ワクチンを半年かけて2回接種するのが標準的なスケジュールとなっています。また、ワクチンの接種対象は男性にも広がりつつあります。HPVは性交渉で感染するため、男性が接種することで、女性の感染機会を減らすことにもつながると期待されています。9価ワクチンは、2025年8月に男女の肛門がんなどへの予防効果について新たに承認されています。現時点では、男性への接種は公費対象外で原則全額自己負担ですが、一部の自治体では費用を助成しています。
(2026年1月25日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)






