国立大の財政難

 2004年に法人化された国立大学が、人件費の高騰とインフレで財政難に直面しています。法人化をきっかけに収益の柱である国からの運営費交付金が減らされてきました。国立大への交付金は、2004年度の計1兆2,415億円から2025年度は計1兆784億円と、13%減少しています。自立を求められた大学は、企業や行政との連携に動きました。国立大の研究収益は、文部科学省によれば、2004年度の計約1千億円から2023年度は同3,637億円に増えています。

 国からの運営費交付金の削減分を上回る規模で、外部資金などを自力で集められるようになったにもかかわらず、必ずしも運営費交付金の穴埋めにはなっていません。外部からの資金は目的の研究など、使途が決まっています。最先端の研究のための機器は買えても、大学の基本的な実験装置は古いままの状況です。

 インフラ整備のために学費を値上げする国立大学が増えています。国立大の授業料には文部科学省が定める標準額があり、2005年度以降は53万5,800円で据え置かれています。今春は名古屋工業大以外に、埼玉大、電気通信大、山口大も値上げを予定しており、2005年度以降で東大をはじめ85校中9校が独自の判断で値上げすることになります。

(2026年1月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です