希少疾患の原因検索

 遺伝子に問題があるらしいものの正確な診断がつかない希少疾患の患者の遺伝子を詳しく調べ、病因を突き止める国のプロジェクトである未診断疾患イニシアチブ(IRUD)が成果をあげています。窓口となる医療機関は全国に広がり、新たな原因遺伝子も見つかっています。

 IRUDは臨床研究として進めています。患者数が少なく知見が限られ診断がつきにくい病気の原因遺伝子を明らかにし、治療の糸口を見つけます。生活に支障のある症状が6カ月以上続き、遺伝子変異が疑われるが、診断がつかないなどの条件を満たすと対象になります。患者は、たんぱく質の生成に関連する配列を全て調べる全エクソーム解析を無料で受けられます。500人以上の専門家ネットワークである臨床専門分科会が協力しています。

 病気の原因が分かっても、治療法があるとは限りません。IRUDで集めた症例や解析結果は、病気のメカニズム解明や治療法開発に活用できます。米国では、特定の遺伝子変異を持つただ一人の患者向け核酸医薬を非営利組織と製薬企業が協力して開発し、治療した例があります。

 IRUDは、AMEDが2015年に開始しました。2025年9月末までに計8,335症例で全エクソーム解析を実施し、5割近い4,132件で原因の遺伝子変異がわかり診断が確定しました。新規遺伝子による新しい疾患が32件ありました。

(2026年1月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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