移動型施設でがん治療

 放射性医薬品を使ったがん治療の取り組みが本格化してきています。放射線治療の一種で注射などで薬剤を患者に投与する手法で、効果が高いとして研究が急速に進んでいますが、実施できる病院や薬剤の量が限られています。量子科学技術研究開発機構は、世界初の移動型治療施設をつくり、2026年度から実証実験開始を目指しています。

 がん治療の一つである放射線治療には、装置を使い患者の体外から放射線をがん細胞に当てる方法が現在主流となっています。正常な細胞にも放射線が当たるので副作用が出ることもあり、全身に転移がある場合は照射が困難です。研究が進む放射線性医薬品は、がん細胞の近くに放射線を出す物質を含む治療薬を直接届けて治療する手法です。

 この治療法を広めるため、放射性医薬品を使ったがん治療ができるトレーラーハウス型の施設が開発されています。トレーラーハウスは、必要であれば治療を行う施設まで移動させて運用できます。放射性物質を扱うための基準を満たした排水設備などを備えており、α線を出す治療薬の投与施設として普及を目指しています。建設費用は5~10分の1程度に抑えられえるメリットがあります。

(2026年2月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です