大阪大学の研究チームは、雄マウス由来の胚性幹細胞(ES細胞)から精巣の機能を再現したミニ臓器を作製し、不妊のマウスに移植して精子を得ることに成功したと米科学誌サイエンスに発表しています。得られた精子を卵子と受精させ、子が生まれることも確認しています。
チームは、これまでの研究で雌マウス由来のES細胞から卵巣のオルガノイド作製に成功しましたが、雄由来のES細胞から精巣を作ろうとしてもうまく成長せず、卵巣の細胞に変化してしまうことが課題でした。今回は、ES細胞から精子や精巣のもとになる細胞の塊を作り培養し、特殊な薬剤を加えたところ、卵巣への変化が抑えられ、大きさ約0.5㎜のミニ精巣に成長しました。
雄の性決定に関わるY染色体上のSryという遺伝子が働き、通常の精巣の形成プロセスが再現されていることや、精巣の主要な細胞がそろっていることも確かめています。ミニ精巣では、精子の前段階に当たる精原幹細胞が作られ、不妊症マウスの精巣に移植することで精子が得られ、卵子と受精させ、卵子と受精させ、メスの体内に入れると子が産まれ、生殖能力も確認しています。

(2026年2月27日 東京新聞)
(吉村 やすのり)





