ロケット開発の必要性

 衛星は位置情報、通信、気象予測、安全保障といった分野で現代社会に欠かせず、必要な時に打ち上げられるよう自国のロケット開発が重要とされていますが、今国内の衛星は米スペースXなど海外のロケットで打ち上げることが増えています。

 米NGOの報告書によれば、世界の宇宙経済は、2024年に過去最高の6,130億ドル(約94兆円)に達しています。早ければ、2032年に1兆ドル(約150兆円)を超える可能性があります。それを裏付けるように、ロケットの打ち上げ回数が加速しています。内閣府によれば、衛星の軌道投入に成功したのは、2021年の136回から2025年の316回にまで増えています。一方、日本国内での打ち上げ回数は、2025年に3回、2024年に5回、2023年に2回、2022年に0回にとどまっています。

 2024年の宇宙経済6,130億ドルのうち、商業部門が78%を占めています。価値の大半は、ロケットや衛星の製造というハードウェアより、それらを使った通信・測位・地球観測というサービスに移っています。このサービス分野を官民で拡大していくことで、それを支える衛星・ロケット産業にもお金が回る流れを作ることが大切です。

 宇宙開発は地上の社会問題を解決するために行われますが、政府だけでその必要経費の全てを担うことはできません。民間が主体的に技術開発して事業化し、政府がそれを買う顧客となることで持続可能な産業となります。

(2026年3月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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