総務省の労働力調査によれば、2025年のパートやアルバイト、派遣社員などの非正規雇用者数は2,128万人と4年連続で増え、働く人の36.5%を占めています。しかし、非正規で働く理由について、正規の仕事がないからとする人の割合は2025年に8.4%と、2015年の16.9%に比べて減少しています。不本意に非正規の職に就いている人は着実に減っています。
厚生労働省によれば、2025年までの10年間で正規の賃金の伸びは11.7%でしたが、非正規は17.8%上昇しています。非正規を多く抱える流通や外食の労組が加盟する産業別労働組合であるUAゼンセンの集計では、パートの賃上げ率も年平均6.91%と、11年連続で正社員の賃上げ率を上回っています。
しかし、非正規の賃金は正規の67.4%の水準と10年前から3.5ポイント増にとどまっています。まだ正規の7割に満たず、格差は大きいままです。非正規の賃金を底上げすることは、家計が消費に回すお金を増やし、景気の下支えにつながります。所得税の課税が始まる年収の壁については、160万円から178万円に引き上げられましたが、社会保険への加入を巡る106万円の壁や130万円の壁についても賃金水準の上昇に応じて見直し、働き控えが起きないよう手当する必要があります。

(2026年4月2日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





