鳥インフルエンザワクチンの感染に対する意義

 鳥インフルのウイルスは、シベリアから越冬してくる渡り鳥によって運ばれ、秋から春にかけて鶏や野鳥に感染が広がります。農林水産省によれば、国内では2004年の感染確認後、2~3年おきに発生していましたが、2020年から毎年確認されるようになっています。ウイルスの変異で感染力が強まったことが原因と考えられています。

 鳥インフルの流行は、卵価格の高騰を引き起こしています。過去最悪の1,771万羽が殺処分された2022~2023年シーズンを受け、1㎏あたり過去最高の350円を記録しました。前年同時期の1.6倍で、エッグショックと呼ばれました。その後は落ち着いたものの、昨年も鳥インフルの影響と物価高による生産コストの増加で再び高騰しています。

 フランスでは、2023年から商用アヒルの予防接種を開始しています。年間最大1,000件超の感染が確認されていましたが、接種開始後は10件に激減しています。米国やカナダも接種を検討しています。海外での動きを踏まえ、農林水産省は、昨年8月に有識者の技術検討会を発足させ、接種の議論を始めています。

 しかし、現行のワクチンでは感染を完全に防ぐことはできません。感染した場合には症状が抑えられ、発見が遅れて養鶏場の内外に感染を広げる恐れがあります。ワクチンを打つことで、ウイルスが変異してワクチンが効かなくなる可能性もあります。対応できるよう毎年新しいワクチンを開発すれば、コストがかかります。

(2026年4月3日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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